みんなの就職エピソード③

Cさんのエピソード

40代 女性 自閉症スペクトラム障害 双極性感情障害 スーパー精肉部門

■就労移行支援に出会い、訓練が始まる
Cさんは短大を卒業後、いくつか仕事に就くものの一度に複数のことをこなせないことや、要領良く仕事を進められないところがあり、叱責を受けるなどして退職を繰り返していました。その後、障害者就業・生活支援センターの支援で就労継続支援A型事業所へ通いだし、安定して通所ができていたものの、事業所がB型へ改変され収入が減ってしまったことから障害者雇用を目指す気持ちになり、就労移行支援の利用を決めました。

訓練では軽作業やPC、ストレスマネジメントなどの座学プログラムなどに参加。明るく真面目なCさんは休むこともなく、場を盛り上げるなどしながら積極的に訓練に臨んでいました。しかし、場の空気が読めないことや、ついつい調子に乗り過ぎて不適切な発言をし、周囲に引かれてしまうこともありました。そのたびにスタッフとの面談を重ね、プログラムを受けて具体的な対処法を模索していきました。こうしてアステップで他のメンバーやスタッフと関わるうちにCさんは少しずつ社会性を向上させていきました。

■長期実習から就職まで
短期の実習を経て、いよいよ長期実習に行くことになったCさん。身体を動かす仕事の方がいいと話し清掃と洗い場での実習を開始しました。明るくハキハキとした挨拶は実習先でも高い評価を得られました。作業については、真面目で手を抜くことを知らないCさんはどうしても時間がかかってしまうところがあり、何度か指摘を受けますが大きく変化することはなく、実習を終了しました。次の実習先ではピッキングを行いましたが、細かいリストから数字を探して商品を取りに行くことがとても難しく、実習先から中断を言い渡されてしまいます。

すっかり落ち込んでしまったCさんですが、自分の向き不向きについての気づきもあり、スーパーのバックヤードでの実習を開始することになりました。大きな変化の少ない商品を扱う部署でコツコツと目の前の仕事をこなしていくことはCさんにとってやりやすい仕事でした。Cさんの真面目さと意欲的な態度が評価され、めでたくこの実習先での就職が決まりました。

■就職~現在
働いてからは仕事のスピードや、職員さんにどういうタイミングで質問していいのか分からないなど様々な悩みが噴出し、自分は役に立てない・必要とされるスキルがないと自分を責め、退職が頭をよぎることが増えてきました。しかし、Cさんの良いところでもある“相談する力”でアステップのスタッフに悩みを打ち明けることに。もう退職しかないと自分を追い詰めていたCさんでしたが、ジョブコーチの支援を受けることを決め、課題だった要領の良い作業方法やスピードアップの方法などをアドバイスしてもらい、どんどん改善していきました。

今は自分の働きに自信が持てるようになり、『目の前のことを一生懸命にやっていきたい』と笑顔で話してくれるようになりました。